【カゲロウの羽化とメイフライ −四時川−】
エサ釣り、ルアーフィッシング、フライフィッシング。
私に今、出来る釣りはこの三種。
どれが好き?と聞かれれば「どれも面白いから一番なんて決める必要がない」が答えなのだが、川釣りにおいては一番好きなスタイルはフライかもしれない。
あの独特なキャスト、自然と一体となり自然の一部となる釣り。
刻一刻と変化する自然にマッチした釣りが求められる釣り。
自然を知り、虫の性質を知り、魚の性質を知り、答えを導き出し、フライをピンポイントに音をたてずに落としていく。
すると、突然水面が「パシャ」と水しぶきを立てて弾ける。
左手のラインの引き、右手の竿の煽り。
0.01秒早くアワセる為のライン操作・・・
神経をすり減らしながら導き出した答えに出た魚の姿はとても綺麗で、今日ここにきて良かった〜って心から思える。
そしてその光景が忘れられず、また心を洗いに川に通う。
そんな日の話。
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四時川。

鮫川水系のこの川は、私がこれからお世話になるであろう河川。
今日は下見も兼ねてこの四時川に足を運んだ。
この川は渓流釣りはもちろんだがアユが有名な川で、水も綺麗でただそこにいるだけで、心が洗われるようだ。
今日は、この川でフライをしに来た。
最近は渓流ルアーを少し覚え「菅スプーン」の練習をしている最中なのだが、息抜きにフライがしたくなり、今日は自由に遊んじゃえって寸法です。
水面を時々パシャっと音をたててるのは、きっとヤマメかウグイなのだろう。
こういう景色を見ると、フライをうちたくなっちゃいますよね!
というわけで、ドライフライ(浮くタイプ)パラシュートをセットして釣り開始!

ウェーディングして向こう岸際にフライを落とすと・・・
パシャ!
ビッ!!(アワセ音)
・・・乗らない。
シュッ!・・シュッ!・・・シュッ!!!
・・・
パシャ!
ビッ!!
・・・乗らない。
ヤマメのアワセは超早アワセ。
ラインの弛みがあると、アワセの時間がほんの少し遅れる・・・ともなれば、ヤマメはその一瞬で違和感を感じフライを吐き出している。
無駄が多い証拠だ。
しかし、その後も乗らない!
ぐ・・・!
悔しい・・・
ポイントを変えてどんどん進むが、アタリを乗せられない。
その状態がずっと続いていた・・・
すると私の脳裏にはこんな言葉が浮かんだ。
菅スプーンの菅野さんの言葉だ「フライは左手が制す」
左手・・・
・・・
菅)「川の流れに流されるフライラインを左手でいかに操作し、弛みのない状態にしてアワセに後れを出さないかが大事なんだ」
そうだ・・・その通りだ。
神経を擦り減らし、トライを続ける・・・しかし、結果は同じ。
ぐ・・・
もう一つ敗因があるとすると、ティペット(ハリス)のサイズ。
5X(0.8号)。できればヤマメなら0.4号以下にしたい。太すぎる・・・
ヤマメはとても目が良い。
水面のラインを見切る。決して太いラインではないが、ヤマメはそういう魚だ。
今日はこのままではボウズだ・・・
夕マヅメ時間になると水面が慌しくなると同時に、大量のカゲロウの羽化が始まった。
川一面にカゲロウが飛び、そのカゲロウをヤマメが食って水面を叩く。
その状況でもアワセに乗せられない・・・
せめてカゲロウに似たフライ「メイフライ」をチョイスして釣りを始める。

今日はもう暗くなってしまって、水面のフライを目で追うのがやっとの状況であった為、半ばあきらめていたが、左手の動きに注意しながら釣りを続けると・・・
パシャ!
無欲に投げたフライは水面を流れるカゲロウの如し、そしてそのフライをヤマメがバイトした瞬間、とっさにアワセたラインの先には・・・
グッググウググ!
の、乗った〜!
やっと乗った〜!
機敏な動き、身体をくねらせながら抵抗する魚体はとても美しく、私も丁寧にランディングネットを使い、キャッチに成功した。
カゲロウを模ったメイフライのチョイスはもちろん、左手の操作、そして肩の力を抜いた事で一瞬の動きが早くなったのだろう。
こうして、待望の一匹目をキャッチした。
肩の力を抜いて、もう一度トライすると・・・
パシャ!
沢山飛んでいるカゲロウの存在がそうさせるのか、周りが暗くなってラインの存在を消してくれたからなのか、あれほど苦労したはずが、立て続けにヒット!
そしてキャッチ!
フライはもう見えなくなってきたので、最後にしよう・・・
パシャ!
クククク!
何とも言えない充実感だ。
川の景色、魚の姿。
カゲロウが舞飛ぶこの雰囲気。
素晴らしい。
そして、日が暮れ今日の釣りは納竿とした。
気が付けば一週間でため込んだストレスもどこか消えてしまったようだ。
まだ渓流釣りをした事がない方は、是非渓流釣りに足を踏み入れて見る事をおススメする。
素晴らしい景色の中で魚と戯れるその贅沢な遊びは、きっと歳を重ねても辞めることができないほど病み付きになることは間違いないでしょう。
※四時川は「鮫川水系の遊漁券」が必要となります。釣り具屋さんで必ず購入して釣りを行う様にしてください。
2016.05.20
場所 :鮫川水系 四時川
天気 :晴れ
時間 :17:00〜19:00
風 :無し
フライ:ドライ(メイフライ)
釣果 :ヤマメ3匹
【関連動画】
フライフィッシングは道具の組み合わせ方等が他の釣りより複雑で、最初に始めようと思っても釣りをするまでかなり苦労します。
それなら、いっそのことセットで買ってしまう事をおすすめします。キャスティング一つをとっても、ロッドとラインが合っていないとやりにくいし、何をそろえたらよいのかもすぐわかるのでおススメです。
渓流は#3か#4のロッドを使うと良いと思います。
![]() パスポートビギン804 フライフィッシングセット <キャップス CAPS> |